襖(ふすま)張り

作業前の襖
ちょっと見にくいが、赤丸で囲んだ部分はシミがある。
引き手に隠されていた部分と目で見える現状との色合いのギャップは大きかった。
つまり、結構年数の経た襖であることの証明でしょう。
引き手の部分は壁紙が剥がれ、むしられたような状態である。
結構使い込んだ襖であることがここでも立証された。
直径2センチほどの破れがあるが、下地までとどいてない軽微なもの。
こちらは完全に下地まで穴が開いている。
袋張りでは間に合わない。
補修が必要。

作業後の襖
前の破れを補修した状態です。
補修には今まで使用されていた上紙を使った。
周りの茶色の紙は既存の袋張りです。
ちょっと膨らんでいますね。袋張りすればカバーできますよ。
戸襖について:袋張りされていなかった。
しかし、剥がすのは簡単にできた。
周囲3センチほどはがっちり糊付けされていたが、中央部は糊が付いてないような状態でした。
いわゆる水張りなんだろうかと推測した。
なんにしても剥がす作業が楽だったで助かった。

作業後のイメージです。
引き手の部分を強調して撮り、新しくなったことをお見せしました。
こちらは1階の和室です。
柄(模様)の位置もほぼ満足できたかな!
こちらは2回の和室。
薄い柄だからチョット絵では分かりにくいですね。
引き手が木でできていて、しかもボンド付けされていたので剥がしにくい作業でした。
これも2階の和室です。
1枚撮りしたので少しは柄(模様)が分かりますか。
白っぽい模様が見えるでしょう。
(絵の中に書かれている文字の色の違いは意味を持ちません。黒色では見にくいので変えただけです)
失敗の事例を紹介する。
これは戸襖ですが、紙をカットするときに破いてしまった。(長さ2_ぐらいか)
原因は周りに余った紙に切り込みをいれなかったこと。
地ベラ使用時丸みのあるほうと鋭角にとがっているほうとの使い方が適切でなかった。
カッターの切れ味が衰えていたのに、無理をした。これら3点の原因が考えられる。
ここが初心者たるゆえんであろう。

作業の手順とポイント

襖(ふすま)の名称について。
知らなくてもいいんだけど…参考までに書きました。

縦枠を縁と言い、引き手の付いている方を「どぶぶち」。
反対の襖と襖が重なりあっている方を「ますぶち」という。
ますぶちの方がどぶぶちより厚い。
引き手金具の位置、上下方向で中心より下側についている。

1.ふすまを外す。
外したふすまに番号をふる。
その襖の敷居に入っている位置、どちらの襖が手前になるか分かってますか。
左の絵の破線より上は、1間(6尺)に2枚の襖が嵌まっている部屋の略図。
下は2間の部屋の略図。
いずれも絵の下側が室内。
1間の部屋は向かって右側が手前になる。
2間の部屋は両端が奥になる。

2.縁(枠)を外す
外す前に上で番号を振った襖の上下左右の位置をメモっておきましょう。
複数枚の襖だったら、外された縁、桟がどの襖に組み込むか混乱しますよ。
縁を外す際、木槌を使う。金槌の場合は当て木をする。
この図は桟と縁の関係を現している。
次で説明するが、赤で示された部分を槌でたたくことになる。
桟と縁を外す場合、まず縁(縦枠)を外す。
一般的な襖は「折れ合い釘」が襖の本体部分に打ち込まれ、この釘によって「縁」が支えられている。
縁を外すには、縁の頭を木槌or金槌でたたいてふちを2〜3センチずらす(スライドさせる)ことによって縁を外すことができる
縦枠(縁)が外され、次に上下の桟を外す桟は襖に釘によって固定されている。
この釘はさび付いて外れにくいことがある。
釘締めで1,2回打ち込むとさびが枠より剥がされ外し易くなる。
襖の裏側からインテリア用バールを差し込む。

3.引き手金具を外す
引き手金具は上下に釘で止められている。
これを外すには、
@インテリア用バールを金具の縁差込み
Aバールをてこにして動かせば釘が緩む。
B緩んだ釘を引き手鋲抜きで抜く。

4.紙を剥がす
ゆっくりと紙と平行に引きながら剥がす。

5.大きな破れは補修

6.糊付け
中央部は薄い糊(水糊)、端は濃い糊をつける。
養生をしたほうが良いが天候/時期によって乾燥時間が異なる。
2〜5分程度おけばよいでしょう。

7.下張りでは袋張りが望ましい
でき上がりは、ふっくらと美しく仕上がります。

8.上張り紙の寸法を決める
枠から1〜2センチ余裕を残してカットする。
柄や模様がある紙では、裾からの寸法を決め、左右の位置のバランスをとる。

9.上紙の貼り付け
ふすまを上下逆にして立てかける。
上紙の裾を持ち、立てかけたふすまを小指で手前に引きふすまを斜めにする。
こうすることによって、貼り付けようとしている上紙がふすまに直に触れない。
紙がふすまに触れれば、紙がふすまに張り付き動かしにくくなる。
張り付くと言うことは、微妙な位置決めがしにくくなることだ。
上紙の貼り付け位置が決まれば、襖の斜めに倒した位置を元に戻す。

10.撫で刷毛による空気抜き
上紙を張る際、撫でバケで空気抜きをしなければならないが、その方向は図のように中央から上下左右に撫でる。
上紙の端を持ち上げながら撫でバケを使うとシワになりにくい。

11.紙を四方の辺(縁と桟)にキッチリ竹へらにて抑える
強引に抑えると紙が切れます。

12.縁、桟を組み込む
外した方法と逆に取り付ける。
ここで上記1、2でメモったことが役立ちます。

13.引き手金具の取り付け

14.用紙のカット
カッターの刃をこまめに折り、常に切れ味に注意すること。
濡れた紙は切りにくいので、切れ味にこだわってください。
地ベラをガイドに上紙のカット。
これも戸襖の場合、上記の理由により、カットするときは地ベラを寝かせるようにしてカッターを当てる。
寝かせることによって、へらの厚み分だけ、紙の寸法に余裕が生まれるので、縮みに対応できる。
上紙は図のように、乾き始めると中央に向かって縮む。
戸襖の場合はこの特性を掴んで、上紙をカットしなければ、乾燥後枠との間に隙間が生じてしまう。
特に縁(横方向)の縮みが大きい。
ふすまと異なり四方を織り込み、枠(縁、桟)で紙を押さえることができないためカット後、紙が縮んで枠と紙の間に隙間が起きる。 これを防ぐため、用紙を張り終えた直後に上紙をカットせずに、周囲の余った(はみ出した)紙を枠に意識的に貼り付け固定させる。
これにより、乾きによる収縮の影響を最小限にとどめ、紙がある程度乾いた頃にカットする方法もある。
但し、カットすべき余分な紙が枠に糊付けされてしまうので、この糊を取り去る作業が追加される。
失敗を防ぐための余計な作業を厭わない心構えが必要。
さらに、中央部に霧を吹き、時間的に中央部の乾燥を端(4辺)の乾燥より遅らせ、 端(4辺)を先に固定させてしまい縮みの影響を防ぐことができる。

15.縁、桟を濡れ雑巾で糊等汚れをふき取る

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